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飯舘の春がいつになく急ぎ足で訪れ、桜咲く入園式、入学式も記憶に新しいところですが、もうすぐ新緑の季節となります。
この春のトピックと言えば、ご夫妻が植樹を始めてから25年の歳月を経た美しく壮大な景観、すでに飯舘村の春の風物詩ともなっている伊丹沢地区の飯舘復興三千本桜です。4月8日の夜は若手有志「ふらっと」によるライトアップ、9日は桜まつりと、飯舘の春を「堪能」させて頂きました。4月初旬にお花見と春雪が重なったのは村の歴史でも初めてのことと思いますが、村内外の多くの方が集まってのワクワクするひと時に「有難し」と感謝致しました。
桜が満開となった4月15日には、村・県・国の代表者が一堂に会して、村内唯一の帰還困難区域である長泥地区の避難指示解除について協議し、解除日時の同意を得た結果、5月1日午前10時に長泥地区特定復興再生拠点区域および長泥曲田公園の避難指示が解除されました。これまでの取り組み、これからの取り組みについては、紙面上その一端ではありますが、今月号の特集記事をご覧ください。この間、12年あまりの歳月を経る中、長泥地区住民の方々のふるさとへの熱い想いにいつも胸を打たれてきました。夢のあるふるさと長泥へ向かって、また村全体が「明日が待ち遠しくなるような、ワクワクする楽しいふるさと」に向かって、皆様と一緒に歩んで参ります。
そして、24日には株式会社ハシドラッグ様と「飯舘村内の生活環境の向上に関する基本協定」を締結いたしました。昨年5月からの協議が今回実を結んだもので、飯舘村内への出店を進めていただくこととなりました。これまで多くの村民の皆様からご要望をいただいております生鮮食品、日用品のほか医薬品、クリーニング受付等を村内でお取り扱いいただくほか、「村民の交流の場としても活用いただけると思う。また村産品を他の店舗で販売することで、村の魅力を広く周知していくことも出来ると思う」という力強いお言葉を、橋浦希一社長から頂戴しました。
いずれのトピックも「村の将来への布石」として大きな一歩となるものです。「ふるさとの担い手」たる多くの方々が地道に、また果敢にチャレンジしてきた「開拓」の証(あかし)でもあります。
今後も「村民の今を支える」、「村の将来への布石」という二つの力点・視点をもって、更に歩みを進めて参ります。