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まさに万感胸に迫る2月となりました。
それは、いつも鋭い視点と新鮮な驚きを与えてくれるいいたて希望の里学園生による「こども議会」でのことです。現在、5年生がラベル製作を手がけた「あぶくまもち」の甘酒が道の駅で販売されております。ぜひお手に取って味わっていただきたいですが、そのラベル製作の過程を通じ「私達の行動が社会の役に立つことにわくわくしました」と発表してくれました。「わくわく」は自らの喜びや期待感を表現するために使われることが一般的ですが、学園の児童は『社会の役に立つ』という、自らの外側に「わくわく」を感じることができたということ。つまり、手に取ってくださるお客様や村を訪れる方々の笑顔や喜びを自分のものとして思い浮かべ、楽しめたということなのだと受け取りました。
そして6年生は「復興に向けて自分たちにできること」をテーマに発表してくれました。長泥地区を見学し、住民の方にもお話をお聞きして感じたことをレポートしてくれましたが、中でも特段胸に響いた表現がありました。それは「そこに住む人、働く人、関わる人の思いが重なり一歩ずつ前に進むことが本当の復興と考えるようになりました」「長泥は“大変な場所”なのではなく、困難に向き合いながら一方で新しい魅力が生まれている“希望の場所”であることを伝えたい」という発表です。
この言葉に触れ、震災以降の村民の皆様の不安や葛藤、それらを乗り越えてきた15年に思いを致し、涙が溢れ出てしまいました。
私自身、職員時代から現在に至るまで、魂を込めて取り組んできた「生きがいとなりわい」にフォーカスした取り組みの数々、例えば避難先での営農継続と再開、除染後の地力回復、村内での営農再開、農業組織の設立誘導、全国に先駆けての大規模農地集積、公社農業部門の立ち上げ、帰還困難区域の避難指示解除、村産品の発掘と魅力発信、企業誘致等々、全てがここに繋がっていたんだ、と感じました。
5年生、6年生は震災時にはまだ誕生していません。その子ども達が「いいたて学」を通じて、ここまで深い洞察を表現してくれたことに、私は「希望」を感じることができました。ぜひ長泥の皆様は勿論のこと、村民の皆様にも、この発表を聞かせていただきたいとお願い申し上げました。
未来を担う子ども達がこの村で暮らしたい、この村で働きたいと思えるような、そして全世代が笑顔になれるような、希望に満ちたふるさとに向けて全力を捧げてまいります。