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福島県立相馬農業高等学校飯舘校 第62回卒業証書授与式
3月1日(木曜日)午後2時30分~
場所:福島学院大学 千葉記念ホール
昨年5月から福島市瀬上町の福島県教育センターへ移転し、生徒の多くが同センターの宿泊施設で生活している相馬農業高校飯舘校の卒業式が、3月1日、センターに隣接する福島学院大学のホールで執り行われました。
23名の卒業生は、保護者や教職員、在校生が見守る中、ひとりひとりが呼名に答えて壇上にのぼり、卒業証書を受け取りました。
渡邊芳広校長は式辞で、校訓のひとつ「不屈敢行」を挙げ、厳しい環境で勉強を続け卒業を迎えた生徒たちを称えて、「皆さんは、相農魂を確実に受け継いでいます。不屈の精神で各人の役割を果たし、復興に尽くしてくれると信じています」と励ましました。
式には来賓として、佐藤雄平福島県知事、菅野典雄飯舘村長らも出席し、それぞれ生徒らの努力に敬意を表しながら祝辞を述べました。
卒業生代表として答辞を述べた前生徒会長は冒頭で、震災で命を落とした生徒や転校を余儀なくされた生徒を思いやるとともに、今の思いを次のように語りました。
「震災以前の学校生活の思い出も、教育センターでの学校生活の思い出も、たくさんあります。『紅葉祭(同校文化祭)』ではすべてをやりきった充実感を感じ、修学旅行では悲しい歴史を乗り越えてきた沖縄の今の姿に感動しました。こうした思い出は3年間を彩り、消えることはありません。そして今、卒業し、新たな道に進むことができるのも、家族や地域の皆様のおかげです。つらいことがあっても、決してくじけることなく歩んでいきたいと思います」
閉式にあたり、矢森健一飯舘校長は、教育センター、福島学院大学、飯舘村の支援に感謝の言葉を添えました。落ち着いた態度で堂々と式に臨んだ卒業生らは、拍手に送られて会場を出ると、友人と笑顔を交わしながら「震災からのできごとがあって、この式にも思い入れがあり、感動しました」「たくさんの人に改めて感謝の気持ちを伝えたいと思います」と話していました。