平成15年度 愛の句碑づくり事業
印刷用ページを表示する 掲載日:2017年1月15日
愛の俳句入選句50選一覧
八十の母に叱られゐて涼し | 西内 利子 | 福島県原町市 |
赤とんぼ母をさがしに裏畑へ | 本田 早姫 | 福島県船引町 |
母にしか読めぬ父の字種袋 | 黒澤 正行 | 福島県西郷村 |
汗くさき父でありしよ鎌を研ぐ | 岩井 純子 | 高知県野市町 |
朝寝する妻の寝息をそのままに | 岸下 庄二 | 兵庫県神戸市 |
姉が振り妹が振り夏帽子 | 坂野 暁月 | 徳島県徳島市 |
十六夜や手箱にねむる母の文 | 浅香 律子 | 東京都足立区 |
子の寝顔ふと我に似て青田風 | 大川原 洋一 | 岩手県葛巻町 |
虫時雨野良着の妻が灯をともす | 森 酒郎 | 福島県天栄村 |
再会の水といふ水澄みにけり | 上條 亜紀子 | 東京都三鷹市 |
菊人形卆寿の母に歩を合わせ | 河治 シツ | 福島県郡山市 |
授かつた嫁にみかんの花揺れる | 江尻 一美 | 福島県いわき市 |
野薊を手折りて夫の戻りくる | 湯澤 宗子 | 福島県原町市 |
鬼灯を上手に鳴らし母元気 | 城米 文枝 | 奈良県大淀町 |
借りて抱く嬰のぬくもり返り花 | 志賀 厚子 | 福島県原町市 |
うすものを着て病妻の見せにくる | 和田 光雄 | 東京都立川市 |
春の灯を点すどの家も母がゐて | 赤羽 英子 | 福島県長沼町 |
葛の原ふれあふ夫の掌のぬくみ | 北 文子 | 福島県相馬市 |
兄らしく水鉄砲で打たれけり | 木幡 幸子 | 福島県原町市 |
夜の秋や母の遺せし鯨尺 | 広田 ユキ | ブラジル国サンパウロ |
呼び逢うて近づくこだまかんこ鳥 | 鴫原 忠夫(鴫水) | 福島県飯舘村 |
夫に子に夏誰よりも白いシャツ | 海老原 順子 | 茨城県岩瀬町 |
初恋や掌にある桑苺 | 佐藤 みね | 宮城県小牛田町 |
名月や改札出れば夫がゐて | 藤原 紅 | 三重県亀山市 |
父の日よ大きく高く作務衣干す | 金井 敏治 | 埼玉県熊谷市 |
孫の名を間違えている日向ぼこ | 吉松 伸明 | 高知県高知市 |
君帰るその日も赤いななかまど | 笹原 実穂子 | 北海道札幌市 |
叱りたるあと抱きしめて冬茜 | 壽本 奈都子 | 福岡県太宰府市 |
木守柿小さくなった母といる | 林 マサ子 | 東京都文京区 |
白菊や母の形見の割烹着 | 新井田 美佐子 | 福島県会津若松市 |
ふらここを漕ぐしあわせが続くやう | 別所 ゆかり | 三重県河芸町 |
稲架襖高し夫呼ぶ声高し | 小林 美代子 | 神奈川県横浜市 |
爽やかや妻の受け取る舫い綱 | 古内 静子 | 福島県原町市 |
晩学の妻の一灯青葉木菟 | 斉藤 正 | 福島県いわき市 |
退院の夫に用意の白絣 | 廣瀬 直子 | 福島県原町市 |
星月夜下駄を鳴らして夫もどる | 大西 逸子 | 京都府京都市 |
残されし者残されし春田打つ | 町田 雅子 | 群馬県玉村町 |
出稼ぎのお父が帰り除夜の鐘 | 平野 くらら | 青森県上北町 |
もう寝息たてている夫後の月 | 小山 泰子 | 群馬県榛東村 |
雪見ぶろおゆをかけあいあそんだね | 岡崎 佑哉 | 東京都町田市 |
母帰るけはひに香る梅の花 | 浦田 学 | 三重県伊勢市 |
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藤田 トヨ | 福島県矢吹町 |
父の日の働く父を見送れる | 山岸 眞 | 東京都練馬区 |
夏祭夫の袖に手を添えて | 渡邉 賢一 | 福島県福島市 |
子の夢の高く高くとしゃぼん玉 | 秋田 智美 | 愛知県尾張旭市 |
厨より夫の声して若葉風 | 桐山 陶子 | 東京都中野区 |
オリオンのけふ明るくて子の忌かな | 宮木 美英子 | 福島県原町市 |
しばらくは添寝のままに雪見窓 | 木村 亮 | 神奈川県横浜市 |
夫笑ひ子も笑ふ水澄みにけり | 笹木 美帆 | 福島県郡山市 |
人生に君の芋煮があればよし | 松下 弘美 | 兵庫県神戸市 |
選者
黛 まどか 先生
入選句
50句