平成13年度 愛の句碑づくり事業
印刷用ページを表示する 掲載日:2017年1月13日
愛の俳句入選句50選一覧
薔薇切れば妻に夕陽の沈むかな | 上田 明弥 | 福島県都路村 |
口数の少なき人とゐて涼し | 小泉 淑 | 福島県新地町 |
亡母よべば木魂のかへる月夜かな | 今村 雄之 | 福島県鹿島町 |
夏羽織ふわりと幼馴染みかな | 斎藤 英雄 | 福島県保原町 |
藤の風川面に夫婦鴨流れ | 高倉 早智子 | 福島県双葉町 |
鯉のぼり吾が家を包む孫の歌 | 植田 一弥 | 奈良県當麻町 |
リラ冷えの朝パリ宛てのラブ・レター | 関根 通紀 | 宮城県矢本町 |
君ありてこその人生風薫る | 草薙 一朗 | 東京都港区 |
君の肩ふれて蛍のあいの沢 | 西尾 美智子 | 東京都渋谷区 |
在りし日の部屋そのままに籐寝椅子 | 佐々木 和子 | 宮城県塩釜市 |
湯上りの妻と二人の十三夜 | 杉原 梅庵 | 福島県福島市 |
嫁姑 声の似て来し蓬 餅 | 渡部 トヨ | 福島県小高町 |
卯の花の月夜や父の肩ぐるま | 熊澤 踏生 | 群馬県沼田市 |
山すそのどの灯にもどる麦踏み女 | 保泉 きよ子 | 埼玉県滑川町 |
妻恋ひの酒あたためて夜長の灯 | 田島 儀一 | 群馬県伊勢崎市 |
よもぎ摘む母の小さくなりにけり | 保泉 のぞみ | 埼玉県滑川町 |
今日からは二人で暮らす窓若葉 | 安達 みさ | 山形県寒河江市 |
夕焼の野に駆けゆきて便り読む | 堀籠 政彦 | 宮城県塩釜市 |
豆の花妻は野良着のほか知らず | 立花 彦吉 | 宮城県桃生町 |
草笛を吹き出稼の父を恋ふ | 猪野 ミツエ | ブラジル サンパウロ |
バレンタインデー愛といふ文字うつくしく | 原 唯早夫 | 福島県小高町 |
放たれし牛の人恋ふえごの花 | 荒 まさみ | 福島県飯舘村 |
退院の夫の爪切る冬日向 | 荒 幸 | 福島県飯舘村 |
妻癒えてもどりし夜の銀河濃し | 大友 紀一楼 | 福島県鹿島町 |
花栗や今も文箱に母子手帳 | 牛来 承子 | 福島県原町市 |
どくだみの花の終るを待ちて刈る | 新津 陽造 | 福島県原町市 |
花野ゆくパラソルの妻先だてて | 飯塚 紫迷 | 福島県相馬市 |
亡き母の車椅子置く花の下 | 石川 文子 | 福島県原町市 |
下校の子稲刈る父を見て帰る | 寺島 寿恵子 | 福島県原町市 |
出稼の夫待つ布団干しにけり | 渡邉 素美 | 福島県富岡町 |
稲架の道母に似し人追ひ越さず | 杉山 たかを | 福島県原町市 |
村に医師来て満開の山桜 | 西内 正浩 | 福島県原町市 |
ひと声に牛の寄りくる秋の暮 | 斎藤 栖峰 | 福島県保原町 |
又父の話に戻る夜寒かな | 会田 良 | 福島県矢吹町 |
おみくじは小吉がよし七五三 | 川住 幸夫 | 神奈川県横須賀市 |
どの部屋もあかるく灯す夜長かな | 笹鹿 克美 | 鳥取県米子市 |
ひまわりの迷路妻の名呼んで見る | 小曽根 一雄 | 栃木県小山市 |
かあさんを泣かせた頃の花菜風 | 島谷 全紀 | 奈良県大和高田市 |
さわらびやふる里の風うまかりし | 林 久子 | 東京都杉並区 |
君の忌の夜空に星の飛びにけり | 上條 亜紀子 | 東京都三鷹市 |
嬰のものふつくら乾くお茶の花 | 金井 久子 | 埼玉県熊谷市 |
秋の暮れ何か銜えて親鴉 | 久保 穂子 | 滋賀県草津市 |
国境に虹の生れたる新世紀 | 柴野 はづき | 東京都目黒区 |
父の忌の入道雲を見てゐたり | 田島 良生 | 埼玉県妻沼町 |
頼りなき母かもしれず菜を間引く | 房安 栄子 | 鳥取県鳥取市 |
秋うらら母となりても母恋うて | 坂 ゆかり | 三重県四日市市 |
木犀や窓辺明るく産衣縫う | 原田 澄子 | 福島県小高町 |
木犀にほふ記念日にまるつけて | 堤 亜由美 | 東京都世田谷区 |
涅槃西風黒髪は母ゆづりかな | 松下 美奈子 | 熊本県本渡市 |
初夢や男の恋は逝く日まで | 三留 清司 | 神奈川県横浜市 |
選者
黛 まどか 先生
応募総数
2770句(42都道府県・海外2カ国)
入選句
50句