平成14年度 愛の句碑づくり事業
印刷用ページを表示する 掲載日:2017年1月14日
愛の俳句入選句50選一覧
初蝶の君の腕に来て止まる | 大塚 雅彦 | 埼玉県行田市 |
逝く夫(つま)を花で囲んで凍の月 | 高倉 早智子 | 福島県双葉郡双葉町 |
手花火や病む母見えるところにて | 橋本 研二 | 福島県田村郡船引町 |
出稼ぎの父を迎える春火鉢 | 杉原 梅庵 | 福島県福島市 |
裏口にいつも母ゐて帰省かな | 藤田 美恵子 | 福島県福島市 |
母の座に母ゐて春の立ちにけり | 西内 正浩 | 福島県原町市 |
吾亦紅ロビーに古稀の妻を待つ | 玉川 悠 | 埼玉県久喜市 |
伸びる影よせて寒九の夫婦杉 | 松下 美奈子 | 熊本県本渡市 |
風花や夕日は山に人は灯に | 熊澤 踏生 | 群馬県沼田市 |
花守の花の下にて老ひにけり | 松村 竹心 | 宮城県仙台市 |
白薔薇のときには崩れたき夜も | 堀木 直子 | 東京都目黒区 |
咲き満ちて白木蓮は母の花 | 田原 トミヱ | 愛知県名古屋市 |
短日や母が入りてしまい風呂 | 西浦 武義 | 福島県相馬郡鹿島町 |
父焚きし跡に父への門火焚く | 高橋 愛子 | 福島県原町市 |
逝きし娘の部屋そのまゝに秋簾 | 中村 時雄 | 高知県幡多郡大方町 |
雑煮餅湯気の向ふに妻がいて | 斉藤 慧 | 佐賀県小城郡牛津町 |
母の手の皺深きまで日焼せる | 大友 紀一楼 | 福島県相馬郡鹿島町 |
祖父母となりて秋晴れの富士仰ぐ | 市澤 由己 | 神奈川県大和市 |
鬼灯の艶ひときわに妻逝きぬ | 丹治 法男 | 福島県郡山市 |
遺されしキルト仕上げて望の月 | 小野内 雅子 | 北海道札幌市 |
父の字で届く小包秋茜 | 山本 祐子 | 東京都文京区 |
牛の背に子を乘せて來る草刈女 | 保泉 きよ子 | 埼玉県比企郡滑川町 |
緑蔭に待ちて今来しばかりとふ | 中山 恵子 | 群馬県碓氷郡松井田町 |
故郷は母のふところつるし柿 | 武山 良三 | 東京都品川区 |
子牛無事生まれし夜の銀河濃し | 郡 良子 | 福島県原町市 |
観音さまの見える畑に麦を踏む | 大野 裕子 | 埼玉県東松山市 |
真清水にてのひら洗ひ吾子抱けり | 小山 知里 | 広島県三次市 |
母は子に子は母に吹くしゃぼん玉 | 沼田 葉桜子 | 神奈川県三浦郡葉山町 |
臥す妻に子の便り読む夜長かな | 小西 明彦 | 兵庫県神戸市 |
冬蝶のとび立つまでを見てをりぬ | 銭屋 照代 | 埼玉県大里郡妻沼町 |
秋昼の簟笥にねむる母の帶 | 近藤 和代 | 徳島県名西郡石井町 |
三寒四温海という字の中に母 | 田島 良生 | 埼玉県大里郡妻沼町 |
冬ぬくし母の遺せし御殿毬 | 村越 裕子 | 福島県原町市 |
洗ひ髪母の形見の下駄を履く | 小林 直美 | 新潟県上越市 |
終点に母待ってゐる青田風 | 奥野 小夜 | 兵庫県津名郡津名町 |
子の寝顔妻のよこ顔子どもの日 | 新里 山歩 | 岩手県盛岡市 |
半分は友にさしかけ白日傘 | 渡辺 万知子 | 福島県双葉郡富岡町 |
牛の瞳に空の色ある小春かな | 保泉 のぞみ | 埼玉県比企郡滑川町 |
君想ふ指が葡萄を食べてゐる | 松田 明子 | 熊本県熊本市 |
父と子の影を重ねて今日の月 | 中澤 実納子 | 大阪府高槻市 |
この辺がよろし二人の花筵 | 水野谷 友子 | 福島県西白河郡矢吹町 |
雨の日は雨音が好きクロッカス | 西尾 美智子 | 東京都渋谷区 |
あひづちの寝息と変はり夜長し | 葛西 美津子 | 東京都杉並区 |
秋祭兄のにほひの肩車 | 岡本 堯子 | 福島県西白河郡矢吹町 |
水打って夫と二人の夕餉かな | 庄司 愉子 | 福島県原町市 |
妻と旅いま夕焼けの日本海 | 和田 糺 | 愛媛県西条市 |
秋桜摘む傍らに夫の居る | 大西 澄子 | 香川県三豊郡仁尾町 |
虫の名を夫と当て合ふ良夜かな | 入月 静子 | 岩手県岩手郡葛巻町 |
亡き夫に語りたきこと菊薫る | 江波 静枝 | 岩手県岩手郡葛巻町 |
身籠りて子の戻りくる十三夜 | 宮本 みさ子 | 福島県原町市 |
選者
黛 まどか 先生
入選句
50句