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田植食
第1回の飯舘YOITOKO発見!ツアー(2022年4月24日開催)の昼食では、飯舘村食を考える会の皆さんに「田植食」を再現してもらいました。
「田植食」は、地区の人たちが総出で手作業の田植をしていたころ、お昼に食べられた食事です。
このうち、「春雨の酢の物」のレシピを公開します。
「みつ豆缶」が入るところがユニークですね。
田植えは体力を使うので、甘いものが求められたのかもしれません。
レシピ
春雨の酢の物
材料(4人分)
- 春雨 24g
- キュウリ 80g
- みつ豆缶 64g
調味料
- 酢 6g
- 砂糖 2g
- 塩 0.4g
つくりかた
- 春雨はぬるま湯で戻す。
- キュウリは、いちょう切りに切る。
- 春雨を食べやすい大きさに切る。
- ボウルに 1 と 2 を入れる。
- 4に、開けたみつ豆缶を汁ごと入れる。
- 味を見ながら酢・砂糖・塩をいれ合わせる.
- 味をしみこませる。
「田植食」に寄せて 菅野一代(飯舘村食を考える会)
50年位前の昭和の時代・4月末から5月上旬、桜咲き、地面が温む頃―。
村全体が春めき、賑やかな、忙しない毎日。
地域に昔から根付いている「結い」という習慣。
田植えの朝は早い。
明るくなる4時頃、田んぼに出て苗代から苗を引き藁でひとつかみくらいに、くくる。
靴を脱ぐ間もなく朝ご飯。
近所や親戚の人達が結いに集まる。
家の中では祖母や隣近所のおばあさんたちが昼と「こじはん」(*1)の支度をし始める。
田植えが始まる。
すべて手作業でみんな並んで植えていく光景は「絵」のようだ。
お昼になると泥だらけのまま、縁側や軒先で食べて休む。
赤ちゃんがいる人は、兄弟たちがおんぶして連れてきて、乳を含ませる。
小さな子供たちもおふかしをうりっぱ(*2)の上にもらって食べる。
おかずがなくてもおいしい。
休んだら、また田んぼに出て、暗くなるまで続ける。
3時頃に「こじはん」が田んぼに運ばれてくる。
みんなが笑顔になる瞬間。
おいしそうに、そして賑やかにほおばる。
最後まで頑張れるエネルギー源となる。
「結い」は、米を作らない人達にも現金収入になる。
上手く回る様に人が動き、人手がほしいときは働き手同士で助け合いができるような仕組みになっている。
農作業だけを見ても、稲刈り・葉タバコ・草刈りなど、助け合いの機会は様々だ。
「結い」=「お互い様」なのである。
*1…おやつ。 *2…ウルイの葉。