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ゆかり農園

印刷用ページを表示する 2026年9月11日更新

野菜を育て、料理にして、届ける。
飯舘村「ゆかり農園」が、農と食をつなぐ仲間を募集

 福島県飯舘村と隣町の川俣町で、野菜づくりから総菜・弁当の製造販売までを一貫して手がける「ゆかり農園」が、これからの事業展開をともに担う新たな仲間を募集しています。

 ゆかり農園は、農薬をなるべく使わず、自然の恵みを生かした野菜づくりに取り組んでいます。畑で採れたジャガイモやズッキーニなど新鮮野菜をふんだんに使った総菜や弁当を製造・販売し、食を通じて地域の人々に笑顔を届けています。

 食や農業に関心がある方、人に喜ばれる仕事がしたい方にとって、農と食の両方に関わりながら、地域の暮らしを支える仕事に挑戦できる環境です。

目次

1. 仕事内容
2. ゆかり農園の歩み——「まずはやってみる」を重ねて
3. これから挑戦したいこと
4. ゆかり農園で働くことに関心のある方へ

1. 仕事内容

 ゆかり農園では、飯舘村と川俣町に合わせて34アールの畑を構え、ナスやカボチャ、ズッキーニ、ジャガイモなど15種類ほどの野菜を育てています。収穫した野菜は川俣町の直売所と「いいたて村の道の駅までい館」に並ぶほか、総菜や弁当に加工し、飯舘村の加工場「もりの駅まごころ」や飯舘村役場、県内のイベントなどで販売しています。夏野菜の南蛮漬け、トロトロに煮込んだ牛すじカレー、生春巻き、ポテトサラダなど、多いときには一日に20種類ほどのメニューが並びます。

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ナスやサツマイモなどを育てている飯舘村の畑

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種類豊富なお弁当やお総菜

 現在は、代表の木幡百香里(こわた・ゆかり)さんを中心に4人が運営を担っています。農作業は2人、総菜・弁当づくり・販売は4人で、それぞれ役割分担しています。新たに加わる方には、まずは木幡さんの背中を見ながら一通りの業務を経験していただきます。仕事に慣れてきた段階で、本人の希望や得意分野を踏まえ、畑作業への専念や、商品開発・イベント出店への注力など、徐々に大きな役割を担っていただく方針です。

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代表の木幡さん

 実際に、2026年4月から活動している髙橋瀬成(たかはし・せな)さんも、農業は未経験からのスタートでした。前職は宮城県仙台市のレストランの料理長。「生産者の目線で食材を見る力を養いたい」と、飯舘村の地域おこし協力隊としてゆかり農園に参画しました。現在は、村の特産であるナツハゼを使ったパンナコッタや、地元の甘酒を使ったプリンなどを自ら開発し、メニューの幅を広げています。

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新たに参画した髙橋さん(右)

 一方で、冬の降雪や草刈り、鳥獣害対策など、自然相手ならではの厳しさもあります。マニュアルはなく、メンバー同士で意見を出し合い、臨機応変に協力しながら日々の作業を進めています。

2. ゆかり農園の歩み——「まずはやってみる」を重ねて

 代表の木幡さんが農業を始めたのは、2011年の東日本大震災と原発事故の後でした。木幡さんは結婚を機に、夫の地元である飯舘村で暮らすことを考えていましたが、震災と原発事故が発生し、飯舘村は全村避難となります。

 木幡さんは避難生活を送る中、兼業農家だった夫の両親が農作業を続けられるように新たに川俣町に畑付きの住まいを構えました。住み始める頃に飯舘村の避難指示が解除され、川俣町の畑をどう活用するか考えていた中で、木幡さんは「ならば私がやってみるか!」と決意。こうして、自ら農業の道へと踏み出しました。

 周囲の支えを受けながら学び、試行錯誤を重ねて、独自の栽培方法を確立していきました。自身がアレルギー体質であることから、「同じように悩む人にも安心して食べてほしい」と、農薬を極力使わず、自然の力を最大限に活かす野菜づくりにこだわっています。

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独自の栽培方法により、低農薬で甘く、大きな野菜をつくっている

 2020年、自宅の農地を活用して「ゆかり農園」を開始。初年度は自分たちで消費する程度で収益はありませんでしたが、翌年には自宅敷地内に直売所を建て、本格的に販売を始めました。

 転機は、自慢の野菜を使った手料理を周囲におすそ分けしたときのこと。「絶対売れる!」と太鼓判を押されたことをきっかけに、2023年からは、傷がついたり大きさが規格外だったりと、売り物にならない野菜を総菜や弁当に生かす取り組みを始めました。「野菜を無駄なく活かし、もっとたくさんの『美味しい』という笑顔が見たい」。その想いを胸に、2024年には、飲食店が少ない村で「みんなが昼食を食べることができる場所にしたい」と、加工場「もりの駅まごころ」を活用して「もりの駅弁屋さん」をオープン。当初5種類程度だったメニューは年々増え、2026年には製造拠点を新設し、より大規模で効率的な調理・製造が可能になりました。

 「誰かに必要とされることがあれば、自分たちにできることを、まずはやってみる」——それが、この歩みを貫くゆかり農園の姿勢です。「大変なこともあるけれど、誰かが困っていたり、頼まれたりすると、それに応えたい。目の前で『美味しい』と喜んでもらえる瞬間が、一番うれしい」と木幡さんは話します。

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木幡さんはお客さんとの会話を大切に、料理に生かしている

3. これから挑戦したいこと

 ゆかり農園はこれから、食を通じて地域の暮らしを支えるとともに、農業に関わる人を増やしていきたいと考えています。

 飯舘村には現在スーパーがなく、日々の食品を買うために隣町まで足を運ぶ住民の方もいます。そこで今後は、交通手段がなく買い物に行くのが難しい高齢者の方などの自宅へお弁当を届ける「訪問販売」に取り組みたいと考えています。2026年に新設した製造拠点は、そのための足がかりでもあります。

 また、子どもから大人まで幅広い人に農作業を体験してもらい、自慢の料理をその場で味わってもらう「体験型ツアー」も構想しています。農業や食に触れる機会をつくることで、農業に関心を持つ人や、地域と継続的に関わる人を増やしていきたいと考えています。

4. ゆかり農園で働くことに関心のある方へ

 ゆかり農園が今回迎えたいのは、農業の経験がなくても食に関心がある方、地域の人に喜ばれる仕事がしたい方、自然相手の大変さも受け止めながら、日々の仕事を楽しみ、前向きに工夫を重ねられる方です。決められた仕事をこなすだけでなく、目の前の人や地域の声に耳を傾けながら、訪問販売や体験型ツアーといった次の挑戦を一緒に形にしていくことを期待しています。

 未経験から参画した髙橋さんは、こう話します。

 「おいしい料理づくりの基本は、食材を深く知ること。自ら土に触れ、食材の特徴を知り、一番おいしい調理法は何かを考えられるゆかり農園は、食に興味がある人こそ、やりがいを実感できる環境です」

 食や農に関わりながら、地域に必要とされる仕事を一緒につくってみたい方をお待ちしています。

 今回の募集は、飯舘村の地域おこし協力隊制度を活用したものです。詳細な条件や応募方法は、以下の求人情報をご確認ください。

https://www.wantedly.com/projects/2527411<外部リンク>


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