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ハシドラッグ飯舘店

印刷用ページを表示する 2025年10月1日更新

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 令和7年(2025年)5月29日、飯舘村を東西に貫く県道沿いに新たな商業施設がオープンしました。福島市に本社を置くドラッグストア「ハシドラッグ」の飯舘店です。村が店舗を整備し、運営は民間に委ねる公設民営方式による開業でした。

 それまで村内で食料品や日用品を買える場所は「いいたてむらの道の駅までい館」と併設のコンビニエンスストアしかなく、生活利便性の向上が地域の大きな課題でした。開店セレモニーで同社の橋浦希一社長は「住民の帰還を進める一助となりたい」と抱負を語り、杉岡誠村長は「村民が待ちに待った店舗」とエールを送りました。

 ドラッグストアが薬だけでなく食品や日用雑貨を扱うのはいまや「日本の常識」ですが、ハシドラ飯舘店はその豊富な品ぞろえに加え、自店舗内で調理した弁当や惣菜も販売し、クリーニングの取り次ぎ業務も行うなど住民のさまざまなニーズに応えるサービスを提供しています。

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 現在の従業員は計13人。薬を販売する資格を持った「医薬品登録販売者」が若松伸茂店長ら4人、そのほかレジや食品・雑貨・お酒などの担当者、弁当などの調理スタッフもいます。ちなみに同社が展開する16店舗のうち、店内で調理を行うのは飯舘を含む4店舗だけです。

 若松さんによると、開店から約2カ月の来店者数や売り上げはほぼ想定通りで「滑り出しとしてはまずまず」。大勢の客数を効率よくさばかなければならない都市部の店と違い、一人一人のお客さんとコミュニケーションを取りやすく、地元出身の従業員との間で雑談に花が咲くこともあります。

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 利用客からは既にさまざまな要望が寄せられており、食品や衣料関係のほかバーベキュー用の木炭や農作業に使う長靴などを求める声もあったそうです。「本部と相談し、できる限り対応したい」と若松さん。

 医薬品類では、農作業中の虫刺されなどで相談を受けることが多いのも農村部ならではの特徴でしょう。「後で『効いたよ』と言ってもらえて『良かったな』と思いました。今まで薬を買える場所が遠かったので(症状があっても)我慢してしまう人が多かったようですが、これからは気軽に相談してほしい」と言います。

 勤務は週休2日が基本。年中無休のためローテーション制ですが、なるべく分散してバランスよく休めるよう、本人の希望を踏まえて調整しています。残業はほとんどなく、本社の方針で男性の育児休業取得を奨励するなどワーク・ライフ・バランスにも配慮。若松さんは「上下関係の垣根を低くし、何でも言い合える職場環境を心掛けています。ストレスなく働いてもらえるのが一番ですから」と強調します。

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  単なる買い物の場ではなく、何でも相談できる「暮らしのコンシェルジュ」を目指すハシドラ飯舘店。「この店ができてガラッと変わるわけではないでしょうが、村民の生活が少しでも快適になるよう、お役に立ちたい」と話す若松さん。その役割をともに担う仲間を待っています。

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株式会社ハシドラッグ
本社:福島市笹谷字片目清水30-4
飯舘店:飯舘村草野字大子堂1


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