令和6年春に、飯舘村に2工場を開設したCRSスポーツ工業株式会社。バドミントンラケットの世界的なブランドに、高品質のガットを提供しています。
佐藤充社長。社員一人ひとりと気さくに言葉を交わします
業績が急速に拡大する中、工場用地と人材を求めていた佐藤社長。亡き父の故郷、川俣町飯坂地区に残る、飯舘村の仮設小学校跡地を用地の候補と考えました。
相談のために役場を訪れた令和6年の1月。「産業団地ができることを踏まえて村内に進出してはどうだろう」という提案を受け、既存の建物を活用して村内に工場を開設することになりました。「飯舘工場」には旧草野小学校の一部、「飯樋工場」には飯樋町の空き工場を活用。それぞれに数十台の機械を運び入れ、相談から3か月余りで稼働に漕ぎつけました。「すぐに使える場所を提供いただき本当に助かりました」。
旧草野小学校の建物をそのまま生かして工場に
20代の社員2人が埼玉県から赴任し、5人を現地で採用。7人体制で2工場をスタートしました。求人には60人の応募があり「飯舘でも人は来る」と自信も深めました。旧草野小学校の体育館にも工場を拡大し増員する予定で、拠点を埼玉県から移す構想も浮上しています。
自動化が進む製紐。この機械は5,000mを編むまで連続稼働
同社は“拠点に根を張る”ことを大切に考えています。「地域に根ざさないと、いいものはつくれない。長く働き家庭を築いて、やがてその子どもがここで働く、そんな会社になりたいのです」と佐藤社長。「飯舘村の皆さんの熱意と温かさに感激しました。社員と共に、イベントや祭りに協力したいし、バドミントンで村おこしも考えたい」。
飯舘工場(旧草野小学校)の中庭にて
そして、運命的な出会いは続きます。現地採用の1人、飯舘村出身の大東かりんさんは、震災時、草野小学校の2年生でした。避難先の福島市の中学校でバドミントンを始め、今も社会人サークルでプレーしています。
「選手を支える作り手側の気持ちが、初めて分かりました」と大東さん
「まさか草野小学校で働くことになるとは」と微笑む大東さん。当時の面影を残す校舎で働き、母の実家で、祖母のつくる昼ごはんを食べるという新鮮な日々を過ごしています。
大東さんのクラスにだけ残っていた名前のシール。奇跡の再会です
C R Sスポーツ工業株式会社
飯舘工場 飯舘村草野字大師堂113-1
飯樋工場 飯舘村飯樋字町455
(本社)埼玉県北葛飾郡杉戸町下野835-1
☎︎ 0480-37-2658(本社)
会社HP:https://crssi.co.jp/<外部リンク>
求人情報:https://arwrk.net/recruit/dfe32f6igmus3cm<外部リンク>
※職場体験、見学のお問合せ先 0244-68-2850(いいたて移住サポートセンター)