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(前編) 飯舘村の震災経験を世界の知見へ
2025年12月3日、公立ギヨーム・ティレル校で、セミナー「東日本大震災における飯舘村への影響と復興の道筋、飯舘村の“今”」を開催し、フランスの学生さんと教員合わせて51名にご参加いただきました。
~セミナー開催のきっかけ~
フランス(パリ)における、食分野の調理やサービスを学ぶ「公立ギヨーム・ティレル学校」の教員・学生たちが日本(福島県郡山市、東京都など)に来日した際、飯舘村にも訪問いただき、生産者さんとの交流を重ねてきました。(これまで、2023年10月、2025年4月の2回)
ギン校長先生から「食の都パリ」で飯舘村の取組みを紹介したいとお声をいただき、2025年12月、飯舘村役場職員2名、氣まぐれ茶屋ちえこ店主 佐々木千榮子さんが「公立ギヨーム・ティレル学校」を訪問しました。
飯舘村 杉岡誠村長からのメッセージ
セミナー開催にあたり、杉岡誠村長からのメッセージを放映しました。
メッセージでは、公立ギヨーム・ティレル学校のギン校長先生への御礼とともに、飯舘村の村民は今、「農の再生」に力を込めて取組んでおり、いろんな産品ができてきて、再生から発展へにつながるような足がかりをつかんできていること、そして、世界各地で自然災害などが発生しているけれども、全ての方々が必ず困難を乗り越えて、未来に向かって歩いて行けるように、と思いを込めたメッセージを伝えました。
東日本大震災における飯舘村への影響と復興の道筋、飯舘村の“今”
杉岡誠村長のメッセージを踏まえ、東日本大震災がおきた直後からの「避難期間の生活」「営農再開に向けた除染、試験農業」「避難解除になってからの村の具体的な取組み」、そして現在は、飯舘村をフィールドに「食」の可能性を広げていくことに取組んでいる旨を齋藤博史係長が説明しました。
質疑応答を受けて
公立ギヨーム・ティレル学校の学生さんたちの年代は、東日本大震災が発生した当時は生まれたばかりか1~3才だった頃。
当時の様子がニュースで放映されたことは記憶に残ってはいません。今、処理水問題で世界ニュースになることぐらいしか情報に接触する機会がない、というのが実際のところ。
実際に現地で何がおきたのか、その後の取組みを聞いて「ニュースでの情報ではわからないことがあったが、現地での実際の話を聞いて、理解ができ、正しい情報を知ることができた。セミナーを開催していただきありがとうございます。」という声をいただきました。学生さんたちからいただいた質問をご紹介します。
・避難している間、村の家や農地はどうしていたのか?
⇒放射線のことがわかってきた段階で、村に泊まることはできないが、通いであれば村に滞在してOKとなったので通って管理している状況でした。・震災前と後で、生態系が変わったか(どじょうや、かえるなど昆虫などの数が減ったか)?
⇒放射能の影響で減ったとは認識していない。(科学的根拠は一切なかった。)避難により、農業ができなかったことにより、生態系の環境が維持できず、どじょうやかえるなど昆虫などの数が減ったかもしれない。・当時、子ども達は避難することをどのように捉えていたのでしょうか?
⇒子ども達だけでなく、大人も放射能の知識が当時はなかったので、何もわからないまま避難しなければならなかった。だから不条理を感じている人が多かったと思います。あとからなぜ避難しなければならなかったのか理由はわかったけれども、地理的に離れているのになぜ飯舘村が?と納得できない部分がありました。・農業を再開したということは、農地は大丈夫なのですか?
⇒放射性セシウムが含まれた農地においても栽培するため、放射性セシウムを作物に吸わせないようにするための取組みが行われています。農地にカリウムをまくことで、作物は、セシウムを吸わないで、カリウムを吸いあげる、そういったことが幾度の試験を通して確認されて、今、一般的になっています。さらに、収穫した作物の検査をします。・農家の方々はどのようにすごしていたのか、農業を再開していったのですか?
⇒大部分の農地が使えなかったので、農作物を作れない間、避難先から通いながら、花の種をまいて、花を綺麗に咲かせました。花が咲き終わったら、そのまま農地にすきこみ、地力を高めるための取組みを行いました。この取組みを続けていきながら農業再開に向けて過ごしていた方々が大部分でした。
※詳細は個別に回答対応へ・人に対して放射能の影響管理を行っているのですか?
⇒村に通っている時期も測定できるようにしていましたが、今も携帯できるサイズの線量計を配布し、測定できるようにしている。また、心のケアも行っています。セミナーを受けた学生さんたちが研修で来日する際に、飯舘村にお越しいただく機会をいただけることになったら、「飯舘村の今」を現地で体感いただけるようプログラムをご用意したいと思います。
公立ギヨーム・ティレル学校訪問交流(後編) 和食ガラディナー
◎本取組みは、日本調理技術専門学校(郡山市)による連携によるものです。
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