菅野一二三さん

健康の秘訣は、動く!

震災前は農家と兼業で、色んな仕事をしてきました。
北海道では、農業の季節労働、川俣町と飯舘村では林業、左官業、葉タバコなど、とにかく働いて体を動かすのが大好きでね。だから、震災が起こって、そうした生活が絶たれてしまい、栃木の鹿沼、福島市と避難生活をおくることになったのは大変でした。
動くのが性分な私は、避難生活でじっとしていることに耐えられなくなって。
何かやれることはないかと思っていたときに、当時、飯舘村の中をパトロールす飯舘飯舘村見守り隊」の活動が始まっていたので、志願しました。村民が避難して無人化した村中の防犯パトロールを3交代24時間体制でやったんです。
福島市から通いながら3年間勤めました。それと同時に、飯舘村の自宅がある地区の神社や墓地の除染作業を引き受けてやりました。
故郷のためだと思えば苦じゃありませんから。働いて体を動かしている方が健康でいられるしね。

「おいしかったよ!」が嬉しくて

震災から3〜4たった頃、福島市に土地と家を買い、小さな畑も作ってひと段落したんだけれど、どうしても故郷が恋しくて。避難解除と共に、飯舘村に通いながら屋敷と畑の手入れをして、農業を再開しました。
ちょうど道の駅までい館ができた頃だったかな〜。
なす、青じそ、きゅうり、スナップエンドウ、インゲン、シソの実、カボチャ、トマト、ネギ、茎たち菜、青梗菜、とうもろこし、その他諸々、ハウスと露地の両方で作付けしています。
畑仕事はやればやるほど大変なだけなんだけど(笑)自分が今こうして畑仕事をしているのは第一に健康のため。お金儲けしようなんて考えたら福島市から通ってまでやってられないですよ。
何より、自分が育てた野菜が、道の駅までい館の売り場に並んで、いろんな人に買ってもらって、「おいしかったよ!」とか「立派な野菜ですね」なんて言われると嬉しくて。喜びと生きがいを感じるね。

屋敷や畑、飯舘村の自分の土地を荒らしておくわけにはいかないという思いもあるから、
10月末までは頻繁に通って畑仕事、冬場は頻度が下がるけれども、たまにきて家屋やハウスの手入れをして。
今年83歳。医者にかかってるわけじゃないし、薬も飲んでない健康そのもの!
健康の秘訣はウマブドウの酢漬を盃に1杯、焼酎のお湯わりを1合まで(笑)
今後は花の栽培に力を入れたいし、私に影響されて息子もここへ通って畑をいじるようになってきたから、これからが楽しみ。
まだまだ畑仕事を楽しんで、健康維持のために農作業をやっていくよ!