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旬鮮香房たわわ 試食検討会
『旬鮮香房たわわ』の店主 大久保聡さんは飯舘村出身。年間を通して村産食材をメニューに取入れる取組みを行っています。今回、さらなる新しいメニューを考案するため、食材探しを行いながら村内生産者との交流を深めました。
★その様子は、『食材探訪 旬鮮香房 たわわ』編をご覧ください。
その後、メニュー開発が進み、使用する食材の生産者様に事前に食べていただき、お店のメニューとして提供していく方向性を確認するための検討会を開催しました。気軽にワインも楽しんでほしい!と店主の奥様でもあり、ワインソムリエの大久保美幸さんにお力添えいただき、メニューとのペアリングにも挑戦しました。
モッツァレラチーズとセミドライトマトのサラダ すずあかねドレッシング
髙野笑子さんのミニトマトといいたて佐藤いちごランドさんのすずあかねを使った、
①モッツァレラチーズとセミドライトマトのサラダ すずあかねドレッシングペアリングワイン (ワインソムリエ 大久保美幸さん)
『ROGER GOULART(ロジャーグラート カバ ロゼ・ブリュット』 スペイン
いちごの風味とタンニンの深み、ドライトマトの酸味に合う辛口のスパークリングロゼを合わせて。彩りがきれいで食べるのがもったいないな、と思う華やかなサラダ。
野菜とセミドライトマトとモッツァレラチーズ、くるみをすずあかねいちごドレッシングとともにいただくと、食感が楽しくまた、口内調理で一体化した美味しさ。
ロゼのスパークリングのワインとの相性も抜群!参加者からは、
「いちごの酸味と合っている。セミドライトマトとチーズの組合わせにいちごソースが味わい深い。ずっと食べたくなります。」
「いちごがよい感じのアクセントになっている。ワインともつながるイメージが料理としてすばらしい感じです。」
といった感想をいただきました。
あぶくまもちと椎茸のシュウマイ 2色の「珍珠丸子」
あぶくまもち生産出荷組合の”あぶくまもち”と髙野笑子さんの菌床椎茸を使った、
② あぶくまもちと椎茸のシュウマイ 2色の「珍珠丸子」
ペアリングワイン(ワインソムリエ 大久保美幸さん)
『GINCK(ドメーヌ ジンク 白ワイントラミネール)』フランス・アルザス ロレーヌ地方
華やかなな香りが特徴で、シュウマイの旨味と香りを引き立てます。
アルザス地方で最も香り豊かといわれる、スパイシーで華やかな品種のゲヴュルツトラミネール。
ゲヴュルツはドイツ語で「スパイス」を意味します。完熟ブドウ由来のふくよかな味わいが大変魅力的な赤ワイン。中華料理の経験もある、店主の大久保さん。
「あぶくまもちをご紹介いただいた時、「珍珠丸子(チンジュワンズ)」といって、天津の一つとして中華料理にあるので、あうのではないか?と思いました。
「珍珠」は中国語で”真珠”、「丸子」は丸めるという意味があります。 肉団子のまわりをつけて蒸し、蒸しあがったもち米が真珠のような輝きをしていることから、名前がついたともいわれています。1色だけじゃなく、村の特産品のナツハゼの濃紫色を活用すれば、2色になり、飯舘村らしいさを出せるだろうと思って作りました。」とお話くださいました。試食したみなさんからは、
●普通の皮のシュウマイより、餅米の食感がありおいしい。ナツハゼの酸味が強くなくて良い。
●あぶくまもちの粒々感がよかった!
●見た目の綺麗さと、ふわっとした香りが鼻をくすぐる。かわいい!
あぶくまもちが口の中でホロホロほぐれていく食感も楽しめる。お酒をたしなむ時、ごはん類食べない方にもよいと思う。美味しい‼
●あぶくまもちに椎茸と肉のうま味がしっかり入っていて、おいしいかったです。
●見た目最高です。シュウマイらしからぬシュウマイ!という感じで○。ワインもすばらしい。めちゃくちゃ合います。
●あと10個ぐらい食べたい。ワイン飲むのに作ったような上品な味。そして、あぶくまもち生産者 森永正男さんからは、
「どうもごちそう様でした。バランスがよくて、とてもおいしかたです。私は米農家になって7年目になりました。自分の土地は自分でなんとかしなくちゃなんないと思ったときに、農地中間管理機構という組織から田んぼを借りて、元の風景に戻そうと、そういう考えからはじめました。何かしら米作るんだったらってことで、あぶくまもちの生産に関わるようになりました。あぶくまもちを利用していただいて、大変美味しかったです。ありがとうございました。」とお言葉をいただきました。
しいたけ岩塩焼き しいたけとアンチョビのソース
髙野笑子さんのしいたけ岩塩焼き
③しいたけとアンチョビのソース
ペアリングワイン(ワインソムリエ 大久保美幸さん)
「TARAPACA CABERNET SAUVIGNON(タラパカ カベルネソーヴィヨン)」チリ
白ワインスパークリングワインとも合いますが、椎茸独特の土っぽい風味が赤ワインとも合います。
このあとご試食いただく山田さんのエイジングビーフの肉の旨味をしっかり受け止めるフルボディの赤を選びました。熟成肉とカベルネソーヴィヨンの相性がとても良いです。あいにく、髙野さんご夫妻のご参加ができなかったのですが、かわりに皆さんが試食チェックを行いました。
肉厚で、大きな傘の椎茸に、みなさんから「立派なしいたけ!」と声があがりました。
岩塩で焼き上げられた丸ごと椎茸にちりばめられていたのが、土にみたてた椎茸。2時間かけて椎茸を炒めて味わいと香りを凝縮したんだそう!●「土」にみたてたしいたけ、2時間も炒めて味を凝縮したという説明を伺い、大久保さんは本当にお料理に向かう姿勢がまでい!
肉厚だから歯ごたえがあり、噛みしめると鼻から香りが抜けていき、赤ワインによく合いました。ぜひ、お料理を提供する際には、「土」にみたてた椎茸の下ごしらえの時間をメニューに記載して紹介していただきたい。
●しいたけぜいたくですね。シンプルでとてもおいしい。シンプルだからこそ、おいしさが強い。
●香り高いが、きのこが苦手な人でもいけそうな香り!味も強くとてもおいしかった。
●まるまる一個の姿がうれしい。赤ワインとよく合う。
●つけあわせがもう一つあるとよいかも?等々、感想や意見を書き留めていただきました。
飯舘産黒毛和牛 ドライエイジングビーフのステーキ
肉のゆーとぴあさんの飯舘産黒毛和牛約45日熟成 部位/ラムシン
④飯舘産黒毛和牛 ドライエイジングビーフのステーキ
ペアリングワイン(ワインソムリエ 大久保美幸さん)
「TARAPACA CABERNET SAUVIGNON(タラパカ カベルネソーヴィヨン) チリ
エイジングビーフの肉の旨味をしっかり受け止めるフルボディの赤を選びました。
熟成肉とカベルネソーヴィヨンの相性がとても良い。●火の入れ方が絶妙で、お肉の味を感じることができ食べた満足感が1枚で十分にある。つけ合せのマッシュポテトもおいしいな~と味わいました。
●お肉を凝視してみると焼面、断面ともに艶があり、美味しそうなイメージしか湧かないほどに美しき見た目にうっとり!。お肉を噛み締めていると感じられる食感に加えて、熟成肉ならではの力強い旨味と芳醇な香りが漂ってきて大感動!。
たわわさんによる、バルサミコ酢を使ったソースは、熟成肉とあいまってメチャウマです!飯舘村産の黒毛和牛であることを誇りに思いました。
●ワインに合います!おいしい。<生産者さんからのコメント>
肉のゆーとぴあ 山田豊さん
今日、実際に提供しているステーキをいただいて、良い状態で提供していることが感じられたので生産者としては本当にうれしかったですし、ワインとのペアリングということで、ワインの事情を全く知らないんですけども、それも楽しかったです。ありがとうございました。肉のゆーとぴあ 山田あゆみさん
いつもありがとうございます。お店に来るのが初めてだったので、すごくワクワクしていたんですけども、お肉も本当に美味しくて、もちろん、自分で焼くのとは格段に違くて、とってもおいしくてとても幸せな時間でした。ありがとうございました。
雪っ娘かぼちゃとラムレーズンのデザートピザ
までい工房美彩恋人さんのいいたて雪っ娘かぼちゃ
⑤雪っ娘かぼちゃとラムレーズンのデザートピザ
ペアリングワイン(ワインソムリエ 大久保美幸さん)
「Domaine Soga(ドメイヌ ソガ2023)」
ブティマンサン 遅摘み(ほんのり甘口)ヴァンダンジュ タルディヴ 小布施ワイナリー(長野県上高井都小布施町)日本のワインも入れたくて!!と笑顔で話す美幸さん。
「検討重ねた中で、ドメイヌ ソガの白ワインを選びました。日本で貴腐でも氷結でも補糖でもない普通の遅摘みぶどうから甘口のワインを製造しています。豊かな酸を持ち合わせているため、嫌な甘さではなくバランスのよい白ワイン。雪っ娘かぼちゃの甘さと合わせると、すっきりとした後味の印象を感じられると思います。」焼きたてピザをさっそくいただくと、
●かぼちゃの糖度がひきたっていてびっくり‼
●かぼちゃの甘みがとてもおいしい。カリカリの生地との相性もよいと思います。こどもさんも大好きな味だと思います。ラムレーズンの香りもよい。
●うまい!カボチャの甘さが引き立てられていて、ラムレーズンとワインがとても美味しいです。
●かぼちゃのデザートピザは、納得の美味しさ。雪っ娘かぼちゃそのものの甘さがいかされておりとても
よい。ただ美味しいだけではなく、合わせた白ワインが、小布施ワイナリーさん!貴重すぎる‼ 美幸さんのソムリエのセンスが光るペアリングで、雪っ娘かぼち
ゃの種をつないできた生産者の強い想いと、小布施ワイナリーさんのポリシーをもったワイン造りの想いが重なり、貴重なペアリングだと思いました。いいたて雪っ娘かぼちゃの生産者、までい工房美彩恋人 代表 渡邊とみ子さんのコメント
「かぼちゃはサブの脇役になることが多いんですけれども、こんなに、すばらしいおいしいピザで、感動しました。ありがとうございました。それぞれの食材を丁寧に料理しているのが伝わりました。ありがたいです。たわわさんのお店の情報、私も発信しますね!」
どぶろくとハモンセラーノ&ブルーチーズ
氣まぐれ茶屋ちえこさんのどぶろくのペアリング
⑥どぶろくとハモンセラーノ&ブルーチーズ
ワインソムリエの美幸さんいわく、「発酵食品同士は相性がよい。特に、飯舘どぶろくは辛口で個性が強いので、合わせるチーズも個性が強いものを選定し、ブルーチーズを選びました。この組合わせだと、どぶろくとブルーチーズが自然と進むと思います。ハモンセラーノはスペイン産の生ハムで、白豚の後ろ脚の皮の一部をはぎ取ってから塩漬けした後、乾燥して熟成させる独特の方法で作られます。しっかりとした塩味が特徴で、プロシュートなどと比べてやや硬い食感をしており食べ応えがあります。噛みしめながら、どぶろくを飲んでみてください。ワインじゃなくても合うんだな、と今回気づきました。」
意外な組合わせに、
●どぶろくは、ブルーチーズとよく合っている!
●クセが強いものどうし負けていない。つけ合せがとても合うと思いました。どぶろくの楽しみ方が増えたイメージでした。
●どぶろく単体だとカップ一杯飲むのに時間がかかるけれど、ブルーチーズとハモンセラーノと一緒だと、飲み合わせがよく、ついつい飲み進む!という印象になりました。面白い!氣まぐれ茶屋ちえこさんでどぶとくの製造を担当している、かおりさんからのコメント
「おいしいごちそう、ありがとうございました。普段食べれないものばかりで、とてもおいしかったです。材料の組合わせで、いろんな料理ができるんだな、と思いました。どぶろくも使っていただき、ありがとうございます。すごくうれしかったです。(現在、たわわ店舗では、おすすめで提供している)これからも、心を込めて作っていきたいと思いますのでよろしくお願いします。今のどぶろくは辛口なんですけど、ちょっとまた、フレーバードをいろいろ考えて、女性にあうように甘口にしたり、考えています。 日本酒にもいろいろあるので、酵母を変えてみたりとか米を変えたりすると変わるみたいなんですよ。これから、研究しながらなんですけど、よろしくお願いします。」試食検討会を終えて
試食検討会を終えた後の一コマ。
店主 大久保さんと肉のゆーとぴあ 山田さん、「今日のラムシンの情報、芯温を何度にした状態にしたか?」など、話をしていました。今回の試食検討会では、すでに定番メニューとして提供している飯舘産黒毛和牛のステーキを改めて試食し、今、そしてこれからの時代に合った“飯舘牛”のブランド化の方向性についても情報共有する機会になりました。
最後に試食検討会を開催くださった「旬鮮香房 たわわ」さんからのコメントをご紹介します。
店主 大久保 聡さん
「飯舘村の食材をつかって、カジュアルなコースをつくって、気軽るに楽しんでいただきたい!という思いでワクワクしながらメニューをつくっています。ただ料理を提供するだけではなく、物語を味わってもらいたいと思っているので、生産者さんと料理人で一皿をつくっていきたいと思っていますので、これからもどうぞよろしくお願いします。」ワインソムリエ 大久保 美幸さん
「今回、料理とワインのペアリングのお話をいただいて、生産者の方々がどんな思いでつくっているのか想像しながら、組合わせを考えました。今後は、できるなら、見学させていただいて、自分の目でみて、一つ一つの美味しさを引き出せるようにしたいと思います。居酒屋なので、カジュアルなワインで提供していきますので、率直な感想もいただけましたらうれしいです。」今回の試食検討会でご紹介したメニューは、順次提供開始します。すでに提供開始されているメニューもありますので、お店にお問い合わせください!
★「旬鮮香房たわわ」
ご予約・お店ホームページ★Instagram @tawawa_fukushima













