Catoe 飯舘村の夏

8月30日(土)"Catoe 飯舘村の夏” Delicious IITATE in catoe スペシャルランチイベント開催レポート

“飯舘村の夏”
全10品、全てに飯舘村の夏がギュッと詰まったコース

Catoe オーナーシェフの加藤智樹さんが"食材探訪”で出会った飯舘村の生産者さんの想いを受け止め、一皿一皿に飯舘村を表現してくださいました。

一挙10品ご紹介します!

ニコニコ菅野農園

イータテベイクのフォカッチャとナツハゼ
イータテベイクと秋刀魚のオーブン焼き

菅野元一さんが品種開発した ジャガイモ「イータテベイク」。
加藤シェフ曰く、「電子レンジで加熱して手軽に食べられるように開発している品種ということもあって、実は料理人泣かせのじゃがいも。なぜなら、料理人は素材にいかに手をかけておいしくするか、が仕事なんだけども、このじゃがいもは、手をかけないで食べることが向いているのが特徴だから。」と。どう調理するか試行錯誤した結果、フォカッチャとオーブン焼にたどりついたそうです。
イータテベイクの食感、味わいが見事に生かされていました。

「イータテベイク」のフォカッチャ にトッピングされた「ナツハゼ」は、奥様の菅野クニさん(ニコニコ菅野農園)が栽培されたもの。 ナツハゼの爽やかな酸味がアクセントになっていてご夫妻共演の一皿が、スペシャルランチのプロローグになりました。

肉のゆーとぴあ

ドライエイジングビーフのタルタル/生七味/ネクタリンピクルス

村内の畜産農家で、精肉店「肉のゆーとぴあ」を営む山田豊 さんが牛肉の状態を見極め、仕上げているドライエイジングビーフ。
今回のコースには、同じく村内の畜産農家の佐藤豊洋さんが育てた黒毛和牛(経産牛)を仕上げたもの。
部位は、トンビ(牛の肩甲骨付近の肩から腕にかかる部位で1頭から約2kgしか取れない希少部位)を使用。
「トンビの肉質は牛のモモ肉と似ていて赤身肉で、脂肪はそれほど多くはついていませんが、お肉そのものの味をしっかり感じられると思います。」と山田さん。
その説明通り、お肉の味をしっかり感じることができました。アクセントに、大渡農園さんからいただいた、オリーブの塩漬けがアクセントになっており、ネクタリンピクルスの香りもタルタルに広がり、味わいの変化を楽しめる一皿に。

髙野笑子さん

ファーストトマトのガスパチョ/トマトのムース/帆立貝

「高野さんのファーストトマトの美味しさを伝えたくて、ガスパチョのクラシックなレシピでは、ニンニクをしっかり使うところ、帆立貝からの出汁を合わせました。ファーストトマトのムースとともに、ぜひ高野さんのファーストトマトを味わってください」と加藤シェフ。

このガスパチョを食べていたら紫外線の強い夏でも跳ね返せるんじゃないか、と思うトマト感たっぷり。
パウチタイプで販売してほしい!逸品。

相馬原釜港 × 飯舘村

大渡さんの朝採りアスパラガスの上に、相馬原釜港で水揚げさらた常磐ものの「“ヒラメ」が重ねられ、マイクロリーフの上に、雷峰(夏秋いちご)が彩りを添えています。
飯舘どぶろくとすずあかね苺がビネグレット(※1)として全ての食材を引き立てていました。
この一皿、夏秋いちごの2件の生産者さんのいちごが使用されていて、ソーズとトッピングで共演。
そして、「飯舘どぶろくそのものを飲んでみたい!」というお客様の声に応えて、試飲のサービス!
「見た目は甘そうに見えますが、飯舘どぶろくは、エクストラドライ。ガツンときますよ」と紹介する加藤シェフ。

★飯舘どぶろく・・・氣まぐれ茶屋ちえこ製造販売
★ずずあかねいちご・・・いいたて佐藤いちご園  雷峰・・・・いいたていちごランド
(※1) ビネグレットとは白ワインビネガーに油を加えて作る、乳化ソースの一種。さっぱりとした風味が魅力で、日本では「フレンチドレッシング」の名前で親しまれています。白ワインビネガーではなく、「飯舘どぶろく(どぶちぇ)」を活用した加藤シェフのアイディアにあっぱれ!

大渡農園

手打ちパスタ  朝採りアスパラガス / 車海老 / クランベリーオイル

手打ちパスタは、前田明神そば組合の「会津のかほり」を使用した蕎麦パスタ。(納得がいくパスタの食感になるまで何度も試作を重ねんだそう。)
道の駅までい館でも大人気の朝採りアスパラガス。
「4月~5月が一番おいしいんだよ!夏のアスパラガスは糖度が春先に比べたら落ちるんだけど。加藤シェフには、いいところを出せるようにするから。」とおっしゃってくださった大渡さん。当日は朝の4時から、ライトをつけながら太いところを揃えて収穫してくださり、鮮度が落ちないよう、村役場の職員が当日Catoeさんに運んでくださいました。
また、食材探訪で大渡さんを訪れた時に提供してくださったクランベリーが華やかに添えられ、サーブされたお客様、お皿をのぞき込んで見た目と香りを楽しまれていました。

相馬原釜港 × 飯舘村

スズキのヴァポーレ 笑子さんのエコスウィートとウチダザリガニのソース

「うわ~。美味しい。すごい!このトマト。美味しい。びっくり」 お客様から絶賛の声が。
そんなに美味しいの??と思いながら一口いただくと、おっしゃる通り、濃厚な甘さ複雑な旨みに納得。

加藤シェフが取組んでいるウチダザリガニ・プロジェクトとのコラボレーションで、ウチダザリガニの出汁とエコスウィートの旨みとが融合した、奥深い味わいのソースに。
常磐ものの「スズキ」のヴァポーレ(※2)のふわっとした白身によく合いました。

(※2)ヴァポーレは、イタリア語で「蒸気」を意味し、料理名としては「蒸し料理」を指します。イタリアンの中では、魚介や野菜、肉などさまざまな素材に使われ、シンプルかつ素材の持ち味を最大限に引き出す調理法として親しまれています。
イタリア料理はオリーブオイルを多用するイメージがありますが、ヴァポーレの場合は油をほとんど使いません。味付けも塩やハーブが中心で、食材の香りや色合いをそのまま楽しめます。特に海沿いの地域では、新鮮な魚介のヴァポーレが定番として愛されています。

肉のゆーとぴあ

ドライエイジングビーフのグリル 山椒ソーズ / あぶくまもち焼リゾット

グリルの部位は、ザブトン(肩ロースの内側にある希少部位)。
山田豊さんから、「柔らかさを持ちながらも、肩ロース特有の肉の旨みがしっかり感じられるので、すぐに飲み込まず、噛みしめてみてください。この牛肉の美味しさは、噛んでいく中で旨みがどんどん感じられると思います。」とご説明がありました。
その言葉どおり、噛めば噛むほど肉の味を感じることができ、最後の1カットまで大切にいただきました。
お客様の中には、じーっと加藤シェフたちの調理工程に見入っている方もいらっしゃる方も。

ドライエイジングビーフと椎茸(湖南町)のそれぞれの旨みが口内でダブル処方のように調和され、
旨みが押し寄せてきます。
そして、飯舘村が力を入れている、もち米「あぶくまもち」も一皿にこめてくださっていました。
あぶくまもちの焼リゾットは、リゾットをカリッとフライパンで香ばしく焼き上げたもの。
カリッもちっとした食感で新たなあぶくまもちの魅力に出会うことができました。
イータテベイクも再び登場!焼き上げらていて、ほっくりとした食感が箸休めになりました。

いいたて佐藤いちご園 / いいたていちごランド                                前田明神そば生産組合

すずあかね / 雷峰
鮫川村ジャージ牛のミルクジェラート
すずあかねいちごのくず餅
蕎麦のフィナンシェ
エスプレッソ・コーヒー・紅茶

これぞレストランデザート!

1分以内に食べないと溶けちゃうジェラート
ふわふわっとろっと食感がおもしろいいちごのくず餅
蕎麦粉でフィナンシェが焼けるの‼という驚き。

スペシャルランチのデザートとして、最後までアイディアと想いがこめられた一皿一皿で締めくくられました。

お客様から、「飯舘村にはいろんな食材があって、こだわりをもった生産者がいらっしゃるんですね」、「山田さんのドライエイジングビーフのグリル、タルタルの味わいが忘れられない。もっと食べたい」、「トマトが美味しすぎる」など、お言葉も。大渡農園さんのお庭に植えてあるクロモジの香りを楽しむ機会があったり、相馬原釜港の常磐ものと、飯舘村の食材コラボレーションの一皿もあり、食を通した地域連携も体感する機会となりました。

<開催店舗>
catoe 福島県郡山市西ノ内1丁目19-7 電話:024-983-7367

<Instagram>
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