Essential Kitchen Course chef.Katsuo Omiya

大宮 勝雄シェフ
東京浅草の老舗洋食店「レストラン大宮」のオーナーシェフであり、テレビや雑誌でも活躍されている洋食の巨匠。
「まだまだ現役であり続けることにこだわる料理人」大宮シェフがTHE RESTAURANT(郡山市)で福島の食材を使って腕をふるってくださいました。

大宮シェフがチラリと見せてくださった手に持っている手書きの資料は、コース料理のメニュー設計書。
仕上がりのイメージイラストとともに、食材の組み立て構想が描かれていました。

飯舘産黒毛和牛がステーキに!

コースメニューには、福島県の会津地区・中通り地区・浜通り地区の3つ地区から厳選された食材がずらりと並んでいました。
山のもの、ふくしま常磐ものの海の幸、そして、お肉料理が2種類。鶏肉は伊達鶏で、牛肉には飯舘村の肉のゆーとぴあさんの経産牛を2ヶ月ドライエイジングしたビーフが選ばれました。

画像左 THE Restaurantのスーシェフの八巻シェフが火入れを丁寧に行っているところ。
画像右 経産牛(熟成期間2ヶ月)のイチボ・ザブトン・クリの部位の下準備段階のもの。

福島のスター食材が華麗なメニューに。一挙公開

会津産そば粉のガレットと請戸のシラス
請戸のシラスのカリカリッと食感が楽しい

<鈴木農場>グリーンスィートの冷製スープ パリソワーズ仕立て(郡山の夕暮れ)
グリーンスィートという郡山ブランド野菜の枝豆は、甘みしっかり。鮮やかな紫色は、ビーツによるもの。下のコンソメのジュレとともにいただくと、身体の暑さがすーっとひいていき、幸せな後味です。

夏野菜のラタトゥイユとシーフードのマリネ
冷たいラタトゥイユは、夏野菜の甘みがひきたち、常磐もののタコの下に、「ホッキ貝」もいました!トッピングされているバジルを砕きながらいただくことで味に変化が出て、もう一皿食べたくなります。

伊達鶏肉のマスタードソース
「レストラン大宮」オープン当時から「鶏の蒸し焼き粒マスタードソース」と名付けて提供をはじめた大宮シェフ。現在はお店のスペシャリテとして愛されているメニューになりましたが、ハンバーク・ステーキやビーフシチューなどは評判になったものの、「鶏の蒸し焼き粒マスタードソース」にはなかなか注文が入らない時期もあったとのこと。
このおいしさを分かっていただきたい、と悶々としていた頃、著名な料理評論家さんが店にいらして評価してくださったことが契機となって、お客様に広く愛されるようになったんだとか。伊達鶏を使ったスペシャリテとして登場。しっとりとした伊達鶏。粒マスタードソースは想像と違って辛くなく、さらっとしていました。

請戸産平目のグラタン
大宮シェフは“ふくしま常磐もの”が料理人の間では高級魚として評価されていることを『みんなのきょうの料理のレシピ』を通して発信してくださっています。
ふわふわとした白身にグラタンソースがさりげなく絡んで上品な逸品に。

そして、いよいよ!飯舘村産の黒毛和牛のメニューに続きます!

<肉のゆーとぴあ山田さん>飯舘牛のステーキとハヤシライス

いよいよ、飯舘村の食材が登場!
ハヤシライスは、「レストラン大宮」が2週間かけて仕込んでいる自家製のデミグラスソースを使用。お肉が主役になるよう、器にステーキを盛付け提供されました。
大宮シェフが、各シェフへ「いいたての牛」が主役のハヤシライスだから、デミソースを肉全体にかけないように」と共有していました。

熟成された経産牛の旨みがビターなデミソースとマリアージュされる悶絶ハヤシライス。
特別におかわりありますよ!とのお声かけに、複数の方々がステーキをおかわりされていらっしゃいました。

ご来場のお客様へ飯舘村とは2年前から村でのマルエシェをきっかけにご縁があることや、肉のゆーとぴあ山田さんが、牛肉生産者として、またドライエイジングを行う精肉店として取組んでいることを知ってもらいたいという想いで、牛肉は飯舘村の山田さんにお願いしました。と、大宮シェフ。

写真上段 ステーキ用のカットの厚み、サイズ、ポーションの最終確認を行っている、左から 大宮シェフ、八巻シェフ、鈴木シェフ

最後の〆のデザート
<渡辺果樹園>桃のコンポートと自家製バニラ
「福島の人は、硬めの桃が好きと聞いて」と、コンポートが硬めで登場。このかたさ、いい感じです! という反応が各テーブルでありました。

大宮勝雄シェフによるEssential Kitchenは、素材のおいしさを引き出すこと、福島の食文化に気を配られつつもハッと驚くコース料理で構成されており、実際に食べて体感し、これまでの固定概念をとりはらうことや「食の価値」を学ぶことの大事さに気づく機会になりました。
そして、何より、飯舘村の牛肉がこのコースに入っていることを大変うれしく、信頼のおけるシェフの方々への取扱いが少しずつでも増えていくといいな!と思います。

開催店舗:THE Restaurant (福島県郡山市安積4-229)

大宮勝雄シェフInstagram @chefomiya